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金融リテラシー教育教材「キャッシュレス社会を考える」

主に中高生向けに、来たるキャッシュレス社会に向けて、実際の授業で使用できるツールを紹介しています。

クレジットカードを賢く使える女性はかっこいい!

あなたはクレジットカード以外にも、決済できるカードがあるって知ってますか?

持っている人も、これからの人も、頭に入れておきたいカード活用術。クレジットカードのほか、デビットカードやプリペイドカードなど、さまざまな種類があります。活用のポイントは、支出を収入の範囲内に収めること。便利だからこそ、計画的に使いたいですね。

みなさんこんにちは、経済エッセイストの井戸美枝です。お金にまつわる“知っておきたい、ちょっといい話”、第4回は「クレジットカード」についてお話しましょう。

みなさんは、クレジットカードを何枚持っていますか?

一般社団法人日本クレジット協会によると、平成27年3月末のクレジットカード発行枚数は2億5890万枚でした。成人人口比では、1人当たり2.5枚所有していることになります。

そんな私たちの身近な存在であるクレジットカード。

使うと貯まるポイントを上手に活用できていますか?はたまた、それ程使っていないのに年会費だけ支払っていた…なんてことはありませんか?

今回は、クレジットカードを上手に使うマネー術についてご紹介しましょう。

ここで、カードにまつわるお金のキホンチェック! クイズに答えてみてくださいね。

どれだけ知ってる? クレジットカード編

問題1
支払った金額が、すぐに口座から引落しされるカードとは?
1.デビットカード
2.プリペイドカード
3.キャッシュカード

問題2
クレジットカード裏面にある3桁(4桁のカードもあり)の数字はなに?
1.セキュリティコード
2.シークレットコード
3.PINコード

問題3
一般的なクレジットカードに付帯している保険はどれでしょう?
1.がん保険
2.ショッピング保険
3.火災保険

答え合わせをしてみましょう!

問題1

答えは1.デビットカードです。

前回のクイズでもお話ししましたが、覚えていましたか?

デビットカードは、銀行の預金口座と紐付けられた決済用カードのことで、このカードで決済すると代金が即座に口座から引き落とされます。

原則、口座の残高がデビットカードの上限額となります。使い方はクレジットカードと同じです。

ちなみに、2.プリペイドカードは、あらかじめカードに入金をして(前払い)商品を購入するときに利用します。入金した金額以上は使えませんので、こちらも使い過ぎる心配がないのが良いですね。

3.キャッシュカードは、ATMを使って預金口座からお金を引き出すためのカードです。

問題2

答えは1.セキュリティコードです。

セキュリティコードは、VISA、Master、JCBのカードでは裏面に、American Expressのカードでは表面に記載されています。

このセキュリティーコードはクレジットカード本体にしか記載されていないため、オンライン上での決済時に不正利用されにくくなります。クレジットカードの利用伝票や明細書にも記載されません。

それに加えて、3Dセキュアという本人認証サービスが推奨されています。クレジットカードに記載されている情報に加え、「自分しか知らないパスワード」を合わせて認証することになりますので、クレジットカード情報の盗用による「なりすまし」などの不正利用を未然に防止することができます。

問題3

答えは2.ショッピング保険です。

ショッピングカードやショッピング保険、お買物安心保険等、会社によって呼び方が違いますが、正式には動産総合保険といいます。

ショッピング保険は、カードで購入した品物の破損や盗難などに対して、特定の期間(一般的には90日)の損害を補償してくれるものです。

例えば、ヘッドフォンを購入した直後、落としてヒビが入ってしまった…という場合、ショッピング保険がついているクレジットカードであれば、通常補償してくれます。(本人に重大な過失があった場合は補償されません)。

ただし、無料で全額補償という訳ではなく、3000円〜1万円程の免責がある場合がほとんどです。また、補償対象外の商品もあります。一般的なカードでは、自動車や自転車、コンタクトレンズやメガネ、携帯電話、食料品などはショッピング保険の補償対象外商品になります。

もしもこういった事態になったとき、保険が適用されるかどうかカード会社に確認してみましょう。

現金で購入した場合、ショッピング保険のような補償は基本的にありませんので、クレジットカードを使ってお買い物をする利点のひとつです。

使い過ぎに注意!

クレジットカードは、現金を持ち歩くよりも便利で安心してお買い物ができますよね。しかし、日常的に使っていると、どのくらいのお金を使ったか実感として分かりにくいかと思います。毎月発行される利用明細書できちんと確認しましょう。

分割払いなどを利用すれば、自分の収入を超えるような高額な商品も買うことができます。

何度も述べていますが、支出は収入の範囲内におさめること。これが非常に大切です。

クレジットカードでポイントをかせごう

みなさんご存知のように、クレジットカードを利用するとポイントがつきますよね。電気・ガス・水道代等の「光熱費」、インターネット代・固定電話代・携帯電話代等の「通信費」、ケーブルテレビ・NHKなどの受信料…などなど、毎月かかる費用をクレジットカードで支払っていますか?

これらを節約することは難しいかもしれませんが、支払い方法をクレジットカードにするだけでポイントが貯まり、支出を少しでも軽減することができます。

また、最近では、病院などでもクレジットカードが使えるところが増えています。入院や手術、通院費も長くなるとお金がかかります。現金値引をしてくれる病院はありませんので、ポイントで少しでもお得にしたいところです。

支払うときに、カード払いが可能かどうか確認してみましょう。

意外なところでは、国民年金の保険料もクレジットカードで支払うことができます。自営業の方などはチェックして下さい。

会社員の方はお給料から天引きされていますので、自分で支払う必要はありません。

日本年金機構の公式HP

ここで重要になってくるのが、クレジットカードのポイント還元率です。

カードによって異なりますが、その多くは0.5%ですが、お店によっては還元率が1%になったり、年間いくら以上使えば還元率がアップするものなど、さまざまです。

還元率が1.0%以上のカードもありますが、ポイント還元率が高いものは、その企業関連のサービスでしかポイントを利用できない傾向にあります。ポイント還元率が高くても、自分がよく使うサービスでポイントが使えなければ意味がないですよね。

というわけで、一概に還元率が高いカードを選ぶとお得、という訳ではありません。クレジットカードのポイントプログラムを理解するのはなかなか面倒ですが、塵も積もれば山となります。自分がよく利用するサービスに合ったものを選びましょう。

文/井戸美枝 イラスト/いいあい

この記事は、日経ウーマンオンライン(http://wol.nikkeibp.co.jp/)に 2016年5月11日に掲載されたものです。無断複製・転載を禁じます。(C)日経BP社