【イベント報告】20代だからこそ身に付けたい、強い家計作りのコツ
人気のファイナンシャルプランナーが教える お金のコントロール術とは?
2015年9月3日
日が暮れても尚、まとわりつくような熱気が立ち込める8月7日の夜、御茶ノ水ソラシティに、20代のビジネスパーソンが集まった。「そろそろお金についてちゃんと考えたい」「お金をコントロールするチカラを身に付けたい」そんな、お金に対する漠然とした不安を抱える彼らにアドバイスをしてくれたのは、ファイナンシャルプランナーで家計コンサルタントの横山光昭さん。90分間、ワークやクイズなどを交えながら、これからの時代を生き抜くための強い家計作りについて、熱く指南してくれた。
20代に必要なのは、お金の価値観を形成すること
この日会場に集まった20代のビジネスパーソンの中で、日頃から家計簿をつけている人は約4割。世間一般では約3割といわれていることから、参加者のお金に対する意識の高さがうかがえた。しかし、家計簿のつけ方にもコツがあると語る横山さん。大切なのは、「お金に対する自分なりの価値観を形成していくこと」だという。
「家計簿は、必ずしもつけなければならないものではありません。ただ、自分が今どのようにお金を使っているのかを把握するために、一時的にでもつけてみることはおすすめします。金額の記入は大雑把で構いません。まずは、固定費・流動費・貯蓄の割合を確認するところから始めましょう。さらにそれらを、3つのモノサシ“消費”“浪費”“投資”に仕分けてみるのです。ここに正解、不正解はありません。自分なりのお金のモノサシを持つための作業です。こうして20代のうちからお金の価値や使い方を意識することが、将来の強い家計作りに大きく影響します」
3つのモノサシのうち、20代が特に注目したいのは「浪費」だと横山さんはいう。 「浪費をしない人生はつまらないものです。まだ若い20代にとっては、ムダが将来チャンスに変わる可能性だって否めません。やけどをするなら若いうちに。そういった意味では、浪費にもそれなりの価値があると思うのです。でも、闇雲に浪費を重ねるのはもちろんよくありません。『浪費は月収の5%まで』などとあらかじめ予算化し、実際にお金を使う時も、自分の中で浪費というタグを付けた上で使うのです。大切なのは価格ではなく価値。20代の今だからこそ、そんな意識づけが必要なのです」
貯蓄につながるお金の管理の仕方
3つのモノサシの黄金比率は、「消費70%、浪費5%、投資25%」だと横山さん。いかにこれに近づけられるかが、将来の家計や貯蓄に影響してくる。そこでまず横山さんが教えてくれたのは、ご本人も実践しているという家計管理の技。
「クレジットカードを上手く使えているでしょうか? 便利な反面、支払いが先送りになることで、家計管理がくるってしまうこともしばしばです。そこで紹介したいのが“Visaデビットカード”。使い方や便利さはクレジットカードと同じですが、使ったその場で代金が口座から引き落とされるので、現金感覚で使えます。利用可能枠は口座残高内。よって支出の加減を考えながら利用することが習慣となり、やりくり上手になれるのです。私自身、今カードはこれ1枚しか持っていませんが、日々の買い物からネットショッピングまで、不自由なく活用できていますよ」
さらに、貯蓄や投資に対する心構えについて、横山さんはこう語る。 「節約ややりくりには限界があります。これからは、貯金の延長線上としての投資も、家計の防衛策として考えていく必要があります。とはいえ、投資を始めるには順序とタイミングが大事。まずは十分なお金を貯めることが先決です。生活費として月収の1.5倍、さらに貯蓄として月収の6カ月分を確保し、その上で長期的に使用しないお金を投資に回すようにしましょう。ちなみに、月収の6カ月分を貯蓄する方法として、16.7の法則というものがあります。毎月の給与の16.7%、約1/6を貯金すると、3年で貯めることができるのです。これを習慣づけることで、自然と貯金力も養われることになります」
今ある生活を把握し、見据え、自分なりの価値観=軸を持つことで築ける、自分らしい強い家計。20代のうちからその感覚を身に付けることができれば、これからの人生は、きっと明るく豊かになるはず。思い立ったが吉日。早速実践してみよう!
自分らしくお金をコントロールするための8つの心得
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① 自分に、ちゃんとお金を使う
② ムダ使いしてないと思う人こそ、自分の支出を疑うべき
③ 「必要」なのか「欲しい」のか自分に質問してみる
④ ガマンするのではなく、浪費を予算してやってみる
⑤ 考えてばかりでなくはじめの小さな確実な一歩を踏み出す
⑥ 「並み」では、貯蓄できないという現実がある
⑦ 今の時代、節約だけでは手に負えない
⑧ 「何とかなってしまう」その思いが一番じゃま